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陶ヶ岳肩小屋の補修作業 |
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文責 村上知之 |
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陶ヶ岳の肩の小屋は、地権者の松永さんのご好意により、陶ヶ岳に集うクライマーやハイカーの避難小屋として長く親しまれている。
ところが最近、窓ガラスが割れ、雨が降り込んだためか、床板が腐食し、利用できない状態になっていた。
山口県山岳連盟としては松永家の承諾を得て補修作業を行うことになった。
これまでの小屋は床が板張りであったため、利用者はいちいち靴を脱いで入らねばならず、利用しづらかった。また、今回のように窓ガラスが割れると、床が濡れてカビが生え、腐食するなど、管理・衛生・安全上の問題も生じやすい。
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そこで、今回の補修では以下の5つの配慮をした。
1. |
床は板張りにせず、土間にする。 |
2. |
座ったり、横になったり、荷を置けるよう、幅60センチの長椅子を部屋の4つの壁面に接して設置する。
このうち2つは固定式、2つは可動式とする。後者はテーブルにもなる。
また、後者を固定式に接して配置すると大きなベッドにもなる。 |
3. |
椅子は重い加重や水濡れに耐えるよう、頑丈な材質とし、ワックスの重ね塗りを施す。 |
4. |
長椅子が水平に設置できるよう、土間に真砂土を入れて水平レベルを確保し、石灰・セメントで軽く固める。 |
5. |
窓は割れないように頑丈な透明ポリカ製にする。 |
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補修作業は平成20年8月23日(土)に行った。
雨の天気予報は幸運にもはずれ、初秋を思わせる涼しい曇りの一日であった。
午前9時、陶ヶ岳駐車場に岳連メンバーの有志が集合した。
参加者数は24名(下関山岳会2名、山口山岳会6名、HC山歩2名、宇部山岳会14名)。
体調を崩して欠席された小笠原岳連会長に代わり、小林副会長が作業協力に対する御礼の言葉を述べ、続いて、村田務会員(一級建築士)による仕事内容の説明のあと、作業に入った。
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荷揚げした材料は、土間に敷き詰める真砂土、それを固める石灰・セメント、水タンク、長椅子用の木材、窓用透明ポリカ板、扉補強用のベニヤ材、スコップ、鋸などの大工道具、ペンキ、草刈り機、などである。
参加者が多かったおかげで、荷揚げは概ね1回で終了した。但し、真砂土は予想以上に必要であったため、準備量の2倍量を追加調達し、ボッカ運搬を行った(土嚢10kgx30個程度)。 |
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村田務会員、竹内邦夫会員の適切な指示の下、正午までに荷揚げ作業、周辺の草刈りや藪刈り、土間の水平化、窓の修理が終わった。
集合写真を撮り、昼食後解散とした。
なお、椅子の組み立てと設置、扉のペンキ塗り等の作業のために村田務会員と一部の者がその後17時まで残った。作業は無事故で終わった。
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やり残した作業は椅子の一部の座板のはめ込みと入り口の扉の付け変えである。
扉は現在、外開きであるが、半分しか開かない。これを内開きで全開できるよう修理する。全て近日中に終了する予定である。
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この小屋は陶ヶ岳を訪れる登山者のだれもが自由に利用できる。
利用するみなさんには所有者の松永さんのご好意に感謝するとともに、ゴミや荷物は全て持ち帰り、清掃を行うなどのご協力をお願いしたい。 |
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また、小屋の破損などを発見された場合には 山口県山岳連盟(0836-21-3230 凡喫茶店内) にご一報願いたい。 以上 |
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