開催年月日 |
平成31年7月6日(土) 9:00~16:00 |
研修場所 |
山口県セミナーパーク「研修室」 |
講 師 |
山口県山岳・スポーツクライミング連盟所属の山岳コーチ、上級指導員、山岳指導員を中心に構成した講師:22名。
小林、武永、坂口、江本、細川、大岡、羽田野(真)、高田、
藤井(信)、藤井(淳)、野田、竹本(正)、竹本(加)、羽田野(健)、平川、
橋本、大野、泉屋、吉武、米光、志賀、原田 |
受講者 |
受講者総計:94名
・山口県山岳・スポーツクライミング連盟会員:30名
(山口山岳会、HC山歩、周南山岳会、宇部山岳会、下関山岳会)
・高体連 参加者:51名
・一般(未組織) 参加者:13名 |
研修内容 |
1.開会の挨拶 (小林会長)
2.座学研修 (9:00~12:05)
① 遭難と遭難防止について
② 遭難の現状(道迷い)、登山計画書
③ 登山装備、ウエヤー
④ 登山でのセルフレスキュー(応急手当)
⑤ 山岳保険、遭難時の対処方法、緊急時の連絡方法
3.実技 (12:45~16:00)
受講者が3グループに分かれて、以下の3単元を各60分間、全員が体験した。
3-1.山におけるファーストエイドと初期対応、3SABCDE
① ケガへの対応
・足首捻挫/手尺骨骨折/突き指時等の三角巾、サムスプリント、
テーピング、応急ギブス君の活用方法。ポイズンリムーバーの
使用方法等、ペットボトルを使用しての傷口の洗浄方法、
買い物袋やテントポール/ストック等の活用方法、
②3ABCDEの実習(体験)
3-2.ビバークの方法
① レスキューシートの活用方法
② ツエルトの設営及び各種活用方法
③ ビバーク時の体温保持方法
3-3.ロープを使った安全確保
① ロープワーク
・シートベント・ムンターヒッチ・クローブヒッチ・オートブロック
・ブリッチプルージック・エイトノット等のつくりかた
② 簡易ハーネス(チェスト・フルボディー)作成方法と活用方法
③ 支点構築方法(フィギアエイトノット・クローブヒッチ)
④ 基本的なロープワーク、フリクションノット、それらを応用したフィックスロープでの安全なトラバース |
おわりに |
山口県山岳・スポーツクライミング連盟主催の「安全登山講習会」は、毎年本格的な夏山シーズン前に安全登山の啓蒙と安全登山知識や技術の確認のために実施しており、毎回多くの方に受講いただいています。
今回も高校登山部の1、2年生、一般登山者、県岳連加盟団体員が一緒に同じ技術を学びました。高校生は初めて見聞きする技術や知識も少なくなかったようですが抵抗なく知識や技術を吸収できているように感じました。
長時間の講習会であることから受講をためらう方もいる中で高齢の登山者の受講も多く、今回受講された高齢登山者の中には最後まで根気よく受講したことで忘れかけていた技術の再確認ができたとの声も聞かれました。
知っていることとできることは違います。身について役に立つものにするためには何度も繰り返し学ぶ必要があります。繰り返し学習することの重要性に気づけた方はそのことが今回の大きな収穫であるように思います。
登山装備や登山技術、安全にかかわる技術は時とともに変化しています。遭難しない技術が一番大切なことは言うまでもありませんが、遭難したときの備えとしての山岳保険の加入やヘリコプターによる捜索サービスへ加入するなど、家族や周囲の方に心配や負担をかけないように配慮し、周囲の理解を得られるような取り組みもこれからの登山ではますます重要になります。
安全技術は登山技術の中で大きなウエイトを占めていることを伝え、それを実践していただけるように、これからも安全登山に関する取り組みを続けていくことを考えています。 |