開会挨拶:9:00~9:15分/ 小林会長
・山の日制定について |
●机上講座:9:00~12:15、13:00~14:00:(4時間15分) |
(1) 「日本の山岳遭難の特徴」、「山の天気入門」、「気象遭難」、「地図コンパスのナビゲーション」
9:15~10:25 /担当:細川 功
・日本の山岳遭難事故の特徴と考察:毎年、警察庁より発表される「山岳遭難事故統計」特徴をまとめ、この結果から見えてくるものがあり、事故防止に何をすべきかを考察した。山岳遭難件数が毎年増加し、高齢者の占める割合が高い傾向がある。遭難原因は道迷いが多い。
・読図の基本:事故統計では「道迷い」による事故件数がもっとも多く起こっていることから、「読図」の技術の重要性について述べるともに、午後からの実技講習のための基礎技術についても説明。地図読み(読図)技術は登山技術の中で最も短時間で取得できるので、取得しようとする人が興味を持って取り組むかが大切である。
・山の天気入門:山岳地特有天気を学び、「気象遭難」を予防の一助とする。ここ数年気象に対する知識不足から起きた遭難が多い。登山と気象は密接な関連がありかつ重要な登山技術であるので、気象に関する基礎的な学習を行った。 |
(2) 「山の法律・登山計画書・山岳保険」
10:25~11:10/担当:江本 正彦
①山の法律:自律的な登山の重要性。通常の登山行為での法律の適用や注意点について。守らなければならないルールやモラルと法律の違いなど。
②登山計画書の作成方法、提出することの意義と重要性、登山計画書や下山届の提出を義務化の現状。
③山岳保険:、ヘリレスキューの現状とコスト、遭難発生時の費用について。登山者が山岳保険に加入する目的と意義及び必要性。
※遭難時の非組織登山者のデメリットやリスクについても触れた。 |
(3) 「山のレスキュー(ファーストエイド)」
11:15~12:15/担当:坂口 仁治
・登山者の高齢化に伴う病気なども含めた山の中でのトラブル発生時の応急処置や注意すべきこと洗い出し説明。
①中高年の登山に潜む危険・・・身体能力の低下に伴う危険
②低体温症・・・低温、風、ぬれ、疲れといった要素と保温管理
③熱中症・・・発生原因と予防
④高山病・・・発生原因(酸素の欠乏、低圧と寒さ)と対策
⑤外傷・・・傷の種類と処置
⑥咬傷・刺傷・・・蛇や鉢などの被害と対処法
⑦日焼け・・・紫外線による被害と対策
⑧テーピング・救急セット・・・テーピングの目的、救急セットの例について
⑨救命処置・・・心肺停止と意識障害 |
(4) 「登山のセルフレスキュー(応急手当)」
13:00~14:00/担当:坂口仁治
・事故時の登山用具(クライミング・ロープ、カラビナ、スリングなど)の結束、使い方、ザックを利用した背負い搬送の方法、レスキューシートの利用方法などを実技の準備として机上学習した。 |
●実技: 14:15~17:00 (2時間45分) |
参加者を3グループに班分けし、以下のA,B,Cの内容を50分間ずつ研修した。
A:[ケガへの対応・ビバークの方法]:担当/坂口、江本、村岡
・捻挫/骨折時の三角巾、サムスプリント、買い物袋、応急ギブス君
・テープスリングによる背負い搬送方法
・ツエルトのタイプ別利用方法、ツエルトビバークの方法、レスキューシートの活用方法
B:[簡易ハーネスでの簡単な岩場の登・下降・トラバース]:
担当:山根、大岡
・簡易ハーネスの作り方/ロープ確保用支点構築の方法
・登下降用ロープ(手がかり)の作り方
・簡易ハーネス+スリングを使った登り方
・確保のしかた/懸垂下降のしかた/トラバースのしかた
C:[地図の読み方実習]:担当/細川、池本
1/25,000の地形図とベースプレートコンパスを使った読図の実習 |