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山口県岳連H27年度事業「安全登山講習/研修会」報告
平成27年7月13日   
報告者 : 細川  功  
 ここ数年、全国的に山岳遭難事故の件数と事故者数は増加の傾向にあり、毎年、「今年は過去最も多い」といわれ続けている現状である。
 昨年は御嶽山などの過去にない大きな災害が発生している。これらの遭難や毎年報告される警察庁の山岳遭難事故の統計などの事例を考察し、「山岳遭難」予防の研修会を開催した。
 県岳連会員はもちろん、未組織の登山愛好家にも広く山岳遭難の実態を認識して頂くことを目的に県岳連会員以外にも呼びかけ実施した。以下に開催内容を報告する。
1.日  時  平成27年7月12日(日) 9:00~17:00
2.受  付  山口県セミナーパーク 受付開始 8:45分
3.研修場所  山口県セミナーパーク「102研修室」
4.参加費用  500円
5. 講  師  山岳連盟遭難対策委員と山岳指導員を中心に構成した。
(小林会長・坂口遭難対策委員長・江本副遭難対策委員長・山根指導委員長・
大岡指導委員・高田指導委員・池本指導委員・水廣指導委員・阿部指導委員・
細川指導委員) 10名
6.参加者  ・岳連会員:宇部山岳会、山口山岳会、周南山岳会、HC山歩、下関山岳会
 参加者:39名
 ・一般(未組織) 参加者:39名

参加者総計:78名
7.研修内容  最近の山岳遭難事故の統計からその傾向を読み取り、何を重点的に実施すべきかを検討し、研修項目を選定した。

 座学 9:00~13:45分

  開会挨拶:9:00~9:10分 小林会長
・山の日制定について

机上講座:

(1) 9:10~10:25分:担当/細川 功
・日本の山岳遭難事故の特徴と考察:毎年、警察庁より発表される「山岳遭難事故統計」特徴をまとめ、この結果から見えてくるものがあり、事故防止に何をすべきかを考察した。
・読図の基本:事故統計から「道迷い」による事故が非常に多く起こっていることに鑑み、「読図」について重点思考した。地図読み(読図)技術は登山技術の中で最も短時間で取得できる。取得しようとする人が興味を持って、如何に「技術取得」に取り組むかである。
・山の天気入門:山岳地特有天気を学び、「気象遭難」を予防の一助とする。ここ数年気象に対する知識不足から起きた遭難が多い。このことから、気象に関する基礎的な学習を行った。

(2) 10:30~11:10分:担当/江本 正彦
・山の法律・保険・計画書
①山の法律:事故の発生した場合、登山形態から異なる法的責任が発生する。さらに刑事責任と民事責任の違いを学んだ。
②登山計画書と山岳保険:予期せぬ事故に備え、予めできることは事前に対処しておくこと。それにより被害を最小限に止める努力は惜しんではならない。
③リスクをイメージした装備:「装備で安全性が向上するなら、金を惜しむな。」高機能な装備は積極的に採用する。縦走山行でも場所により「ヘルメット」を装備する。

(3) 11:15~12:00分:担当/坂口 仁治
・山のレスキュー(ファーストエイド):過去の統計から中高年登山者の事故が大半を占め、その事故率も高いことに鑑み、応急処置や注意すべきこと洗い出した。また最近増え始めている山中での病気による救助に対応して生活習慣病の対策も必要である。

(4) 13:00~13:45分:担当/坂口仁治
・一般登山のセルフレスキュー:事故時の登山用具(クライミング・ロープ、カラビナ、スリングなどの結束、使い方)などを実技の準備として机上学習した。

実技: 13:50~17:00分

当日は台風9号の影響で風が強く小雨模様でもあり、AおよびB実技は研修室内で行った。
C実技の読図は屋外でなければ実習できないため、小雨の中で行った。参加者全員非常に熱心で、多くの質問を受けた。

 参加者を3グループに班分けし、以下のA,B,Cの内容を50分間ずつ研修した。

 A:[ケガへの対応・ビバークの方法]:担当/坂口・江本・水廣・阿部
 ・捻挫/骨折時の三角巾、サムスプリント、買い物袋、応急ギブス君
 ・テープスリング、ザック等による背負い搬送方法
 ・ツエルトビバークの方法/レスキューシートの活用方法

 B:[簡易ハーネスでの簡単な岩場の登・下降・トラバース]:担当山根・大岡・池本
 ・簡易ハーネスの作り方/ロープ確保用支点構築の方法
 ・登下降用ロープ(手がかり)の作り方
 ・簡易ハーネス+スリングを使った登り方
 ・確保のしかた/懸垂下降のしかた/トラバースのしかた
 
C:[地図の読み方実習]:担当/細川・高田
 1/25,000の地形図とベースプレートコンパスを使った読図の実習
8. まとめ  (1) 「安全登山講習/研修会」は一昨年の総会にて、「隔年開催とする」と取り決めていたが、御嶽山災害や全国的にも山岳遭難は増える傾向にあることから今年も実施に取り組んだ。

 (2) 「安全登山」に関する行事は自治体や企業が毎年行う「防災訓練」と同様で、山の組織も独自に毎年行うことが必要である。ここで扱われる技術や知識は日頃の登山活動には馴染みのないものもあり、この機会に多くの組織人が再認識し、積極的に参加訓練すべきものと考えている。

 (3) 配付資料:右に今回配布した資料を記す。
  以下、実技実習状況を示す。
配布資料
の明細
  講座名
 日本の山岳遭難事故の特徴と考察
 山の天気入門
 読図の基本
 山の法律
 登山計画書と山岳保険
 登山装備(リスクをイメージした装備)
 山のレスキュー(応急手当)
 一般登山のセルフレスキュー(実技)
 一般登山のセルフレスキュー、補足
 山の危険動物
 読図の基本、地図記号補足1
 読図の基本、地図印刷設定補足2
 クライミングレスキュー講習会資料
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