開催要項 |
道迷いによる遭難防止の一助として本講習会を開催したのでここに報告する。
本研修は最近の「山岳遭難事故の統計」から道迷いあるいはそれに関連する事故が飛び抜けて多いことに鑑み、岳連会員の「読図」に関する技術の向上を目指し、企画した。
「地形図と磁気コンパス」あるいは「地形図とハンディーGPS」を使用したナビゲーションと地形図に対する知識の取得を行った。 |
1.主 催 |
山口県山岳連盟 |
2.日 時 |
平成26年12月7日(日) 9:00~16:00 |
3.場 所 |
山口県セミナーパーク220号研修室 |
4.参加費用 |
¥1,000
配布資料:地形図、CD-ROM
(国土地理院電子地図の印刷方法、コンパスの使い方、GPSの使い方など) |
5. 使用した用具 |
①ベースプレートコンパス(シルバーコンパス) ②筆記具 ③定規(30cm 以上)
④A4版程度のハードボード(クリップボード)
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6.研修スケジュール |
(1)座学(9:00~12:00)
①地形図の基本的な読み方 ②地形図の利用、加工方法
③国土地理院地図(電子地図版)の印刷方法 ④カシミール3Dによる印刷方法
(2)実技(13:00~14:00)
①地形図とコンパスによるナビゲーション
②地形図とGPSによるナビゲーション当日セミナーパーク周辺1/25,000 地形図を配布
(3)座学Ⅱ(14:00~15:30)
①ナビゲーション用地図の作成方法
②GPS軌跡ログの読み込みと加工方法 |
7. 講 師 |
細川 功(山岳連盟遭難対策委員) |
参加者 |
宇部山岳会;9名、 山口山岳会;12名、 HC山歩;1名、
下関山岳会;1名、 山口県山岳連盟;1名、 計24名(含む講師) |
8.研修内容 |
(1) 登山に必要な地図について
登山には国土地理院・1/2.5万地形図が基本でこれは登山活動には必須で、同時に磁気コンパス必須の用具である。
その入手方法は種々あるが、一つは国土地理院発行の1/2.5万紙地図、その他として同縮尺の個人的に作成した印刷地図、登山専用に発行された市販地図などがある。
ここでは国土地理院発行の1/2.5万-紙地図を中心に利用・加工方法を学習した。
地形図へ緯線経線、緯度経度、磁北線の記入方法について、尾根線、谷線記入を実施。
(2) 地形図の構成および読み方
地形図の構成とその読み方、特に登山活動で主に使われる記号や地形図に書かれた三次元情報の読み取り方を学習した。
(3) 磁気コンパスおよびハンディーGPSコンパスモードの使い方
地形図と合わせてコンパスを使う場合のセッティングについて解説した。
(4) 地形図と磁気コンパスおよびGPSコンパスを使ったナビゲーションをフィールドで歩行しながら実地体験した。
(5) 登山用地形図の印刷方法、カシミール3Dの応用方法 |
9.まとめ |
(1) 近年、登山に於ける「道迷い」に起因する事故が多く発生、本講習がこれらの事故を抑制し、安全登山の一助になれば幸いである。
(2) 読図は登山活動の基本で有り、これらの技術はベテランでなくても容易に学べることであり、日頃の登山では常に読図を心がけて活動して欲しいものである。 |
10.配布資料 |
1 |
読図講習会 |
地形図の読み方基本 |
2 |
コンパス |
コンパスorH-GPSを使ったナビゲーション方法 |
3 |
新旧地形図 |
新旧地形図の書式の違い、読み方 |
4 |
地図記号 |
地図記号の詳細、登山で主に使う記号 |
5 |
地図偏角 |
日本各地の磁針偏角 |
6 |
カシミール印刷設定 |
カシミール3Dによる登山用地図の印刷設定方法 |
7 |
GPSカシミール操作 |
カシミール3DとハンディーGPSの使い方 |
8 |
ナビゲーション |
コンパスorH-GPSを使ったナビゲーション方法 |
9 |
GPS |
GPSシステムの解説 |
10 |
GPS軌跡ログ |
ハンディーGPSへの軌跡ログ記録操作 |
11 |
軌跡ログ読込 |
パソコンへの軌跡ログの読み込み操作 |
12 |
GPSフォーマットP |
各種GPSの緯度経度のフォーマットシステム |
13 |
GPS選定 |
ハンディーGPS購入のための参考データ |
14 |
eTrex設定2 |
旧型eTrexマニュアル |
15 |
eTrex30-Ma |
eTrex30マニュアル |
16 |
OregonMa |
Oregonマニュアル |
17 |
展望図作成 |
カシミール3Dを使った展望図の作成方法 |
18 |
展望図集 |
山岳展望図集 |
19 |
日本山遭難特徴 |
日本の山岳遭難の特徴、H25の統計データまとめ |
20 |
日英用語比 |
英文ー日文用語比較 |
21 |
GPS軌跡ログ |
H-GPS 軌跡ログの記録開始前後の処理 |
22 |
配布資料明細 |
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